ホウ酸塩とは何か
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 木材劣化生物とホウ酸塩

 ホウ酸塩は生体細胞内ではホウ酸 B(OH)3の形をとります。ホウ酸は、水酸基を2個以上もつある種の有機化合物と強固なキレート結合を形成する性質があります。この代表は補酵素です。
 生物は、細胞内で栄養分を燃やしてエネルギーに変えています。これを代謝といいます。代謝をスムースに進めるのは、酵素と補酵素の役割です。酵素は複雑なタンパク質ですが、補酵素は糖やアミノ酸が結合した単純な構造です。糖は多数の水酸基を含むため、ホウ酸とキレート結合を形成します。細胞中のホウ酸濃度が高まると、ついには、補酵素全体がホウ酸とキレート結合し、代謝反応がストップします。こうなると、生物は餓死することになります。
 例外は、哺乳動物です。哺乳動物では、血液に溶けた過剰のホウ酸塩は、腎臓の働きで体外へ排出されます。このため、哺乳動物に対するホウ酸塩の毒性は微弱です。ホウ酸塩は、ヒトやペットには安全で、木材劣化生物には厳しい、理想的な木材保存剤といえます。
 ホウ酸塩を木材保存剤として利用するには、木材にホウ酸塩の水溶液を含浸させます。シロアリや食材甲虫がこの木材を摂食すると、細胞中のホウ酸濃度が高まり死ぬことになります。また、食材甲虫がホウ酸塩処理した木材中に産み付けた卵は、孵化率が低下します。腐朽菌が木材に侵入すると、ホウ酸塩は細胞膜を通して拡散し、代謝阻害を引き起こします。

 ホウ酸塩が劣化生物を制御するには、木材中のホウ酸塩濃度が一定の値を超える必要があります。この値を毒性閾値といいます。

   

ホウ酸塩の毒性閾値(ホウ酸換算)

 
 
木材劣化生物 毒性閾値
(kg/m3 BAE)
イエシロアリ 3.0
ヤマトシロアリ <3.0
腐朽菌 1.0〜1.5
食材甲虫 1.2
   

 
 表から、シロアリに対するホウ酸塩の毒性閾値は、他の木材劣化生物に比較してはるかに高いことが分かります。これから、シロアリ対策として十分な濃度のホウ酸塩を含浸させれば、防虫、防腐効果も十分といえます。


 
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