NPO法人ホウ素系木材保存剤普及協会

ホウ酸塩と百年住宅

ホウ酸塩と百年住宅

ホウ酸塩で中心部まで処理し、溶脱の起こりにくい設計、施工技術を心がけることが現実的です。

住宅耐用年数と保存処理木材生産量
国名耐用
年数
処理木材生産量(’93)
m3/千人対日本比
日本 30 3.3 1.0
米国 84 54.6 16
カナダ 56 54.8 16
英国 124 30.5 9
オランダ 65 29.2 9
スウェーデン 95 54.9 17
デンマーク 127 46.9 14
ノルウェー 87 51.6 16
フランス 83 27.3 8
(注)処理木材生産量(93)は、A.J. Nurmi,Int. Res. Group on Wood Pres., Doc. No. IRG/WP94-50033による。耐用年数(Stock/Flow)は、(財)住宅産業情報サービス:“住宅産業ハンドブック(2001)”の数値から計算した。

表は世界の平均住宅耐用年数と人口千人あたりの保存処理木材生産量を示したものです。日本の数値は、両方とも際だって低いことが分かります。

では、住宅の耐用年数を高めるにはどうしたらよいでしょうか。

①腐朽蟻害の危険性の高い部材を保存処理する。現行では、土台を加圧注入処理する新築住宅は40%以下と推定されます。

②外壁の構造材は、加圧注入かホウ酸塩処理材にする。現行では5年ごとの処理を前提に合成殺虫剤の使用を認定していますが、築後5年ごとに外壁を開いて内部を点検し、処理する家は皆無です。

③100年住宅を実現するには、浸透長20mmが必要といわれます。現在、20mmの目標を達成するための研究開発が行われていますが、今のところ、固着型保存剤で20mmの浸透長は不可能です。ホウ酸塩で中心部まで処理し、溶脱の起こりにくい設計、施工技術を心がけることが現実的です。

④エネルギーコストの上昇で、住宅の省エネルギー化は必然です。将来は、壁、天井、床などのEnvelopeの保存処理が実現するでしょう。安全、健康、環境の視点から、ホウ酸塩保存処理のウェイトが増加するものと思われます。